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中西レモン 

Remon Nakanishi

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中西レモンのファースト・アルバム『ひなのいえづと』(2022)は、そのプロデューサー/アレンジャーであるあがさと佐藤みゆきとのデュオであるすずめのティアーズ『Sparrow’s Arrows Fly so High』(2024)と並んで、ポスト・パンデミック期の日本において、ローカル/ヴァナキュラーな感性に基づくポップ音楽作品の新たなパラダイムとなる重要な作品だった。

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 中西レモンの歌う民謡や瞽女唄や座敷唄は、近代化の中で、専門歌手が歌う田舎風レパートリーとして均質化された「民謡」とも、文化財として特定の保存会によって冷凍保存された「民俗芸能」とも異なり、実際に市井の庶民によって実践されてきた歌と芸能の諸相に深く分け入って、様式的な美しさだけでなく猥雑やしたたかな打算や残酷さや滑稽味をたっぷり含み込んでいる。ケレン味たっぷりのレモンの「ええ声―」は世界各地の多様な音楽スタイルを取り入れたあがさの編曲によってさらに際立つ。その類稀な表現は多くの好事家を驚かせている。

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 2020年代の音楽界に新風を巻き起こしている中西レモンは、単に着物姿にハート型の色眼鏡をかけたキュートな民謡ポップスターとして突然現れたわけではない。十代の頃から市井の芸能に魅了されてきた彼は、大学時代以降、各地の盆踊りを始めとする芸能の現場に参与し、それに触発された絵画やコンテンポラリー・ダンス作品を発表してきた。また、日本および東アジアの周縁的な音楽・芸能を積極的に扱うオフノート・レーベルのスタッフや、現代の日本人には判読困難なくずし字で書かれた江戸時代後期以降の庶民的な芸能資料を読む会の案内人を務めてもいた。

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 このようにハイ・アートと1960年代以降の日本的な「アングラ」文化と民俗学的研究の狭間で20年近く活動していた彼は、初代桜川唯丸の江州音頭の通信講座「モノガタリ宇宙の会」の世話人を務めたことから歌手としてのキャリアが開花する。初代桜川唯丸は、1990年代に関西の盆踊りシーンから登場し、レゲエやアフロビートを取り入れたバンド、スピリチュアル・ユニティと共演した名作アルバム『ウランバン』を発表した「日本のワールドミュージック」の代表格である。初代唯丸が早すぎる現役引退の後に始めた通信講座から生まれた社中は、2010年代以降、東京を中心に盛り上がりを見せていたオルタナティヴな盆踊りシーンで注目され、音楽的な盟友となるすずめのティアーズもそこから生まれた。

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 コロナ禍によってライブ活動が停滞を余儀なくされたことで、あがさの自宅スタジオでのアルバム制作が始まった。そして『ひなのいえづと』が発表された。続く12インチシングル『ODORI ONDO』(2023)では、長編の江州音頭を片面ずつヒップホップとタイ北東部のモーラムに乗せて演じ、近年のオルタナティヴ盆踊りシーンの動態を鮮烈に伝えている。

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 中西レモンは近代以前から日本列島各地に伝承されてきた庶民の祭礼と娯楽の熱心かつ総合的なリバイバリストであり、まさにそのことによってすぐれて現代的でオルタナティヴな表現者たりえている。その無尽蔵の宇宙は、今や地球上津々浦々の人に拓かれ始めている。(音楽学者/近代音曲史 輪島裕介)

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https://linktr.ee/remon_nakanishi​​​

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​中西レモン

 

初代桜川唯丸江州音頭通信講座・モノガタリ宇宙の会世話人(2015年~)。
絵を描いたり、歌を歌ったりぶらぶらしたり。郷土芸能に取材した絵画展『掛唄』(2002年)。ダンス・パフォーマンスに関する上演企画『畳半畳』(主催 2004~2014年)。瓦版などで流布した庶民の歌等を読む勉強会「庶民の芸能を読む会」(2017年~)。編集に『インタビュー・資料集 豊島の盆踊り音頭』(2014年てしまのまど)、『庶民の芸能を読む会 第一冊 ちよぼくれちよんがれ』(2025年DOYASA! Records)
。音源に東北民謡と越後の瞽女唄を歌った1stアルバム『ひなのいえづと』(2022年7月 DOYASA! Records)、日本のヒップホップレジェンド・Donuts Disco Deluxeと日本唯一のピン・ケーン・プラユックバンド・Monaural mini plugとのコラボレーションによる江州音頭『ODORI ONDO』(2023年11月 12"45rpmアナログ盤 OUT ONE DISC)など。
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中西レモン(含、大谷将)活動履歴 

 

展示 

個展 

2002年7月 『試聴版 掛唄』 ギャラリーKARINスペースⅡ(東京・京橋) 

2002年9月14日 『掛唄』 金沢八幡宮(秋田県横手市) 

*県指定無形民俗文化財金沢八幡宮伝統掛唄行事会場での展示。同時に掛唄行事が行われた。 

2004年5月24日~29日 『掛唄 vol.2』 マキイマサルファインアーツ・S(東京・新橋) 

2015年5月19日~6月17日 連続企画 歴史による無名化(仮) 路地と人(東京・水道橋) 

他 

 

グループ展 

2017年5月28・29日 『懐烟画会』(高村健志・中西レモン) 路地と人(東京・水道橋) 

2021年11月3日~2022年1月9日 『ナラティブの修復』(ダダカン連として参加) 

他 

 

 

(企画) 

2010年5月7~12日 『田中英世写真展―舞踏の2000年代を中心に』(企画・制作)フリーアートスペース ポルトリブレ(東京) 

2011年7月4日~10日 マカーマ『ぱく・どよん展』(実行委員・企画・制作)路地と人(東京) 

2013年4月16日~29日 企画展『「畳半畳」中西レモン×田中英世(写真)』(共同企画・制作)Gallery&atelier TURNAROUND(仙台) 

他 

 

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舞台等 

出演・参加 

2003年12月 イマージュオペラ>>コントラーアタック<<プロジェ作品『トラクトア/トロープス』(美術・出演) ハイナー・ミュラー/ザ・ワールド 麻布die pratze(東京) 

2004年7月14日 ダンスがみたい!新人シリーズ2 レモン組『逆髪』(演出・振付・出演)神楽坂die pratze(東京) 

2006年1月16日 ダンスがみたい!新人シリーズ4『ダンスがみたい?節談編』(作演出・振付・出演)神楽坂die pratze(東京) 

2008年6月2日 MSAcollection2008『まいまい絵詞』(作演出・出演)神楽坂die pratze(東京) 

2009年11月 日韓アートリレー『舟唄』(作演出・出演) シアターゼロ(ソウル) 

2015年1月~3月 踊りに行くぜ!!Ⅱvol.5 目黒大路作品『ナレノハテ』(出演) 

1月25日松山市民会館(松山)、2月7日・8日仙台市宮城野区文化センターパナトシアター(仙台)、3月7日・8日Art Theater dB 神戸(神戸)、3月21日・22日アサヒ・アートスクエア(東京) 

2016年9月10日・11日 三陸国際芸術祭2016(出演)(岩手・大船渡) 

2016年9月16日~10月10日 JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクトVOL.6 2016日本―香港 共同制作プログラム(沖縄/北海道) 

2017年2月 習いに行くぜ!東北へ‼鮫神楽を習う(参加)(青森・八戸) 

2017年10月20日 『ASYL』東京・野沢竜雲寺(演出:飯名直人、共演:今村達紀、寺田みさこ、西松布咏) 

2019年8月10日 第54回松山まつり(団体連の部 Team MOGA連 2017年第52回~音頭)

2019~2020年 ADD(放課後ダイバーシティダンス)日の出リサーチャー (東京・日の出) 

2021年12月25日 ひだまる 玉村八幡宮(群馬県立女子大学・芸術プログラム「芸術の現場へ3」企画 群馬・玉村 にゃんとことの珍芸共演) 

他 

 

企画・制作 

ちょっとした舞・踊の祭典 畳半畳 

2004年3月18日 『無善寺舞・踊祭 畳半畳』(企画・制作・出演)  

高円寺無力無善寺(東京) 

2005年2月14~16日 『ちょっとした舞・踊の祭典 畳半畳3』(企画・制作・出演) 

神楽坂die pratze(東京)  

2010年5月9日 『ちょっとした舞・踊の祭典 畳半畳 特別編』(企画・制作)フリーアートスペース・ポルトリブレ(東京) 

2010年12月19日 『ちょっとした舞・踊の祭典 畳半畳(15)in大阪』(企画・制作)LOXODONTA BLACK(大阪) 

2013年4月26日~28日 『畳半畳 in仙台』(共同企画・制作)Gallery&atelier TURNAROUND(仙台) 

2014年7月18日~20日 『畳半畳 inきいろろ聡明堂』(共同企画・制作)きいろろ聡明堂(東京) 

他 

 

その他 

2005年10月 坂本美蘭コンサート『変成女子』(坂本美蘭との協同演出・出演)原宿アコスタディオ(東京) 

2006年4月10日 ゼロ次元『いなばの白うさぎ』/向井千惠『青天』(企画・制作・出演)die pratze M.S.A.コレクション2006 麻布die pratze(東京) 

2012年10月28日 『音頭三昧』(舞台監督) リバティーホール・おおさか(大阪) 

2015年~ 初代桜川唯丸江州音頭通信講座・モノガタリ宇宙の会(東京世話人) 

2016年~ 懐烟茶話/懐烟画譜 (高村健志と共催)(東京・千代田) 

2017年~ 庶民の芸能を読む会 (東京・北) 

2017年~ 鮫神楽練習会 (東京/神奈川) 

2020年 アートにエールを!《記された声・歌われる文字~江州音頭『お七松坂』》 (東京 作・演出・撮影。編集:細谷修平) 

 

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寄稿等 

2007年 《掛け唄に関する絵画『唄コ』の制作と展示について》(『金沢八幡宮伝統掛唄 秋田県無形民俗文化財指定15周年記念誌』金沢八幡宮伝統掛唄保存会2007年4月発行)・(寄稿・表紙絵) 

2013年 《演目解説》(及び歌詞翻刻)(CD 『河内音頭夢幻 浪曲音頭の誕生 初音家』 2013年 ミソラレコードONDO NOW) 

2019年 「鮫神楽の歌《御祝》」(『まほら no.99』2019年4月号 旅の文化研究所) 

2021年 「墓獅子-神楽念仏」(『中世の神楽-宗教芸能の地平へ』 山本ひろ子・松尾恒一・福田晃編 2021年 三弥井書店) 

 

編集 

2014年 『インタビュー・資料集 豊島の盆踊り音頭』(2014年3月 てしまのまど発行) 

 

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初代桜川唯丸江州音頭通信講座・モノガタリ宇宙の会 

企画・出演 

2018年7月21日・22日 中野区大和町八幡神社例大祭 大盆踊り会2018(音頭 東京・中野) 

2019年7月6日 モノガタリ宇宙の会の音頭天の川(東京・江東)  

2019年7月27日・28日 中野区大和町八幡神社例大祭 大盆踊り会2019(にゃんとこ、DDD、モノラルミニプラグとのコラボレーション 東京・中野) 

2019年8月17日 名古屋城夏祭り・大盆踊り大会(DDD、にゃんとこ、ケケノコ族とのコラボレーション 愛知・名古屋) 

2019年9月7日 ふっさ妖怪盆踊り (音頭 東京・福生) 

2019年9月22日 すみゆめ踊行列「さくらばし輪おどり」(音頭 東京・墨田) 

2019年11月3日 東西音頭交流会音頭流星群☆彡 (音頭・企画制作 東京・墨田) 

2021年3月6日 日本の文化・芸能のショーケース/江州音頭 (音頭 東京・台東) 

2021年11月7日 2021年亀四フェスタ (音頭 にゃんとこ、DDDとのコラボレーション 東京・中野) 

 

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音源 

・CD-R『みよこさま』(2020年6月 DAYASA!Records) 

・CD/サブスクリプション『ひなのいえづと』(2022年7月 DAYASA!Records) 

・12" 45rpm アナログ『ODORI ONDO』(2023年11月 OUT ONE DISC)

© DOYASA! RECORDS 2018

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